今回は大山の麓、伊勢原で大山からの伏流水で酒をつくる、創業大正元年(1912年)
菊勇(きくゆう)の蔵元、吉川醸造さんにお邪魔しました。
葉タバコの産地であった伊勢原で煙草の製造販売をしてましたが、国の専売となってからは酒や醤油、味噌などの製造を始めて、現在では酒造のみに心血を注いでいます。
一麹、二酛、三造りと言われる通り酒造りに最も大事な麹に最大のこだわりを持ち、手がかかるため今ではほとんど見なくなった蓋麹法という麹造りを頑なに守り続けています。
先代では越後杜氏に酒造りを一任していましたが、数年前より自社杜氏を育てて蔵人全員で力を合わせて酒を醸しています。訪問時はその吉川醸造自社杜氏の水野さんとお話しさせていただきました。
日本酒醸造のカリスマである 故 杉山晋朔氏から指導を受けた酒はとても濃厚でどっしりとした酒です。
今回も3本です。
話しをしているうちに4本欲しくなってしまったのですが、さすがに4本は背負ってこれないので何とか3本に減らしました(笑)
杜氏のおススメは先ず原酒。アルコール度20~21度、4段仕込みの酒は濃厚で甘口ではっきり言って寿司には合いませんが、一番飲んでもらいたい酒と杜氏の水野さんは言います。
次に相模大山純米酒。米の甘味とほどよい酸味のバランスがとれた濃醇辛口でお燗から冷酒まで幅広い温度帯で美味しく飲むことが出来る実力を持っています。
そして最高峰の純米大吟醸は杉山晋朔氏の名を冠した菊勇の傑作です。